地方競馬は面白い!

 

☆地方競馬は面白い!

 

毎週、土日を楽しみにしている競馬ファンは沢山います。

それは中央競馬がこの日に開催されるからですが

地方競馬では平日も変わらず競走馬たちが砂塵を蹴り上げ

はしくれ達競馬ファンの目を楽しませてくれています。

 

地方競馬は中央競馬より認知度こそ低いですが

そこには地方競馬独特の面白さがあります。

そこで今回はこの点にスポットを当て

様々な角度から地方競馬の魅力について

お伝えしたいと思います。

 

☆地方競馬とはそもそも・・・?

 

既にご存知の方には申し訳ございませんが

特に競馬初心者の方に少し説明をしたいと思います。

 

そもそも

地方競馬というのは一体何を指すのかというと

平たく言えば国が管轄する中央競馬とは違い

各地方自治体がそれぞれ運営する競馬を指します。

 

よく競馬を始めたての初心者の方々が

小倉や函館競馬といった地方での開催の事を

「地方競馬」と勘違いして話しているのを耳にしますが

小倉や函館はれっきとした「中央競馬」の管轄です。

 

2018年2月現在

中央競馬は全部で10場

運営されているのですが

東京・京都・中山・阪神・中京・新潟・福島・函館・札幌・小倉

がそれにあたります。

 

対して

地方競馬は現在全部で14場

が運営されています。

 

それは

南関東競馬と呼ばれる大井・川崎・船橋・浦和

そして東海地区の名古屋・笠松

兵庫の園田に、北陸の金沢、岩手の盛岡・水沢

北海道の門別にばんえい競馬の帯広

四国の高知、九州の佐賀

全14場です。

 

要は地方自治体が管轄し

そこに売り上げが入るのが「地方競馬」という事です。

 

 

☆はしくれが感じた地方競馬最初の魅力

 

中央の競馬場はどこも広くてきれいですが

地方競馬場の多くは哀愁と旅情が漂う、馬と人との距離がとても近い競馬場です。

 

こういうと

「地方競馬はさびれて小汚い」

などと言う人がいますが

そんな事は全然なくて単純にレトロなだけです。

 

場内の清掃もきちんと行き届いていますし

汚す人が居なければ汚れる事はありません。

そして、先にも述べましたが

地方競馬場で最初に感じた魅力としては

上の写真の通りにとにかく

競馬を「する側」と「見る側」の、距離が近い事

でした。

 

☆初めて行った大井競馬

 

はしくれが初めて地方競馬場を訪れたのは

かれこれ15年前の大井競馬場でした。

今は新しいスタンドができて進化を遂げた大井ですが

当時はそれこそ改築前の風情漂う競馬場でした。

 

この大井競馬場につきましては

昼は東京、夜は大井。競馬場を選ぶなら

でお伝えしたので省きますが

この時のはしくれの目的は

あるレースを見に行く事でした。

それは・・・。

 

2003年6月25日の帝王賞の一戦です。

 

 

☆単勝1,1倍のオッズと、それが吹き飛んだ衝撃

 

この時レースの目玉だったのは

上の写真のゴールドドリーム・・・ではなくて

そのお父さんのゴールドアリュールでした。

 

写真のゴールドドリームも

2017年度の最優秀ダート馬

に選出されましたが

そのお父さんのゴールドアリュールも

2002年度の最優秀ダート馬に選出された

押しも押されもせぬ「日本ダート界の帝王」でした。

 

この馬を間近で見られるチャンスだった事もあり

はしくれは喜び勇んで観戦に駆けつけました。

ところが・・・。

この時ゴールで待っていたのは

この超大物人気馬(しかも武豊騎手騎乗)の11着惨敗

という、驚きの結果でした。

(ゴールドアリュールはその後、喘鳴症が発覚し引退。)

 

この時のレースですが、今でも忘れもしないのは

勝った4番人気のネームヴァリューが地方所属馬だった事

2~4番人気の3頭で決着したにも関わらず

三連複が7000円、更に枠連がこれを上回る7060円という高配当になった事です。

 

それは見た事も無い光景でした。

勝ったネームヴァリューは元々中央所属の強豪でしたが

設備の差がある地方所属で快勝したのは驚きましたし

何よりこんな高配当になるとは思いもよりませんでした。

 

☆そして、競馬の深みにはまる

 

実はこの一件を境に、はしくれは何だか地方競馬を

「恐ろしいもの」

に感じていました。

今ならば「これも競馬のひとつだよね」と思いますが

当時はあまりにも衝撃すぎて

しばらく地方競馬を観に行く事ができませんでした(^^;)

 

地の利を見れば地方所属馬有利は当然かもしれませんが

実際のパワーバランスはそうではありません。

地方所属の馬の多くは中央でデビューしており

勝てなくなった馬が次々、転入するのが常だからです。

 

これは当時から現在でも当てはまる図式ですが

地方所属馬<中央所属馬

これが日本競馬の常識です。

 

でも、そんな風に油断していると

中央競馬で地方馬が勝ったり

やっぱり地方競馬場でも中央馬が強かったりします。

そうして競馬の広さ

複雑さを色々学んでいく内に

気が付くと競馬の深みに、どんどんはまっているのでした。

 

 

☆オッズのばらつき

 

上の画像は

とあるレースでの東京競馬の配当です。

中央競馬では珍しい配当の形ですが

複勝馬券の配当が、妙に好配当になっていますね。

 

この時の事については

異常な複勝オッズ・・・連馬券に囚われるな!

をご参照いただくとして

前述の帝王賞のような

「オッズのばらつき」そのものが

実は地方競馬が面白く感じられる一因

となっています。

 

というのも

地方では中央よりもオッズに厚みがありません。

これは簡単に言ってしまえば

出走する頭数も売り上げも少ないからで

どれかの馬に人気が偏ると、途端にオッズが傾きます。

 

オッズは一定の計算式で弾き出されていますから

とにかく売り上げの分母が大きく

色んな馬が買われているほど、オッズに厚みが生まれるわけです。

 

ところがこれがもし

売り上げの分母が小さく、人気が一頭に集中したら・・・?

人気馬が来なかった時には、配当も跳ね上がるのです!

それがゴールドアリュールが参戦した帝王賞でもありましたが

この現象を度々目にする地方競馬には、配当的にも夢があります。

 

 

☆地方競馬でしか会えない馬に出会える

 

丁度この記事を書いている2018年2月8日は

兵庫の園田競馬場で

「第2回園田ウインターカップ」

という重賞が行われました。

1着賞金は400万円、格付けはありません。

 

中央競馬の重賞と言えば

GⅠ・GⅡ・GⅢなど国際格付けがされている上

その賞金も3000万円~3億円と高額です。

 

ですが園田競馬での400万円、重賞というカテゴリーは

園田競馬を走る馬にとって、紛れも無い栄誉

なのです。

 

この第2回園田ウインターカップを制した

ドリームコンサートという馬ですが

現在9歳で9番人気

単勝5900円という波乱の立役者となりました。

 

因みに、はしくれはこのレースでもきっちり馬券を買っていまして・・・。

 

 

除外で返還もありましたが

馬複(馬連)18,730円を見事にゲットしました(*^^*)!

 

ついちょっと自慢してしまいましたが

ここで言いたかったのはレースの的中報告ではなく

2着に3番人気が絡んだ割には好配当だった

のと、それよりもなによりもこの

ドリームコンサートの勇姿をまだ見る事ができた嬉しさ

です。

 

このドリームコンサートは元々中央所属馬でした。

先のネームヴァリューと同じく地方に転身したわけですね。

2歳から6歳まで中央競馬で走り続けて

6歳の秋になってから園田に転入しています。

 

そこから今まで一度たりとも重賞レースで勝ち星がなく

今日になってついに悲願の重賞初制覇を飾りました。

 

競馬の現実がいかに厳しいものであるかという事は

競馬とは何か。プロ競馬ライターとして・・・。

の記事でもお伝え致しましたが

高齢と言われる9歳になってもレースに勝てるこの馬にとって

地方競馬という受け皿は必要なものでした。

 

そしてはしくれ自身

中央時代からこの馬の事を覚えており

園田競馬で再会できて心底ほっとしました。

 

 

☆独特の売店が面白い

 

さて、一息ついてここからは

「食」の話になりますが

地方競馬の競馬場には飲食店が沢山あります。

 

食いしん坊のはしくれには

どれもおいしそうに見えますが

実は競馬場で売店を使う頻度は

中央の競馬場よりも地方の時が多いです。

 

それというのも

あまり見慣れないメニューがあちこちで見られる

からで

売店の形式にしてもなんだか下町風だったり

学校の文化祭風だったり

温もりと作りたて感のある気になるお店が多い

のが特徴です。

 

因みに南関4場全てのやきそば比べなどもしましたが

一番おいしいやきそばがあるのは浦和競馬場でした。

そして、なぜか胡椒が効きすぎている川崎のやきそばも捨て難いです・・・。

 

これらは分かる方にはきっとお分かり頂けると思います。

(名誉のために言うと、大井も船橋もおいしいですし、船橋では「あんかけ」にしても同額の店がありました。お得~♪)

この他にも名古屋競馬場では名物きしめんをすすったり

現在休催の姫路周辺では何だか色々買い食いしたりと

おいしいものに目が無い方にはとにかく誘惑が多いです。

 

☆競馬中継が面白い

 

また、楽天競馬の競馬中継がとにかく優れているのですが

その事は

パドックを見たい方、鍛えたい方の強い味方

に任せる事にしまして

それぞれの競馬場の実況

にも目を向けてみましょう。

 

地方競馬の特徴のひとつに

「騎手で勝負服が決まっている」

という事がありますが

実況アナもそれだけ騎手の名を呼ぶ事が多いです。

その姿勢も無理がなく自然な語り口調で

特にレースが終わって何を言うのか妙に楽しみだったりします。

 

先日の佐賀記念では中央のルールソヴァールが勝ちましたが

佐賀の実況アナウンサーが鞍上の幸騎手を讃えて

「ナイスガイ!」

とゴール後に形容したのが印象的でした。

他にも

「クール・ビューティー!」などと形容する事もあり

この実況がなんだかとても、はしくれにはクセになります。

 

 

☆血統が面白い

 

地方競馬は盛岡を除くとダートコースしかありません。

その為血統的にはパワーがある種牡馬が好まれます。

更に長い距離のレースはあまり開催されませんので

短距離を走るためのダッシュ力も求められます。

 

そこで活躍を見せている地方競馬の競走馬には

サウスヴィグラス

という種牡馬を父に持つ馬が非常に多いです。

とにかく何かあれば父・サウスヴィグラス。

あっちもヴィグラス、こっちもヴィグラス。

本当によく見かけます。

 

このサウスヴィグラスですが

現役時代は中央競馬で活躍したダート馬であり

地方・中央交流戦のダートグレードレースにおいて

これでもかというくらい強さを見せつけていました。

 

そして

父となり産まれてくる仔が本当にこの馬そっくり

ダートの短距離を得意にしていてパワーがある馬ばっかりです。

 

実ははしくれはこの馬の馬体にいつも

惚れ惚れしていた一人で

馬体も本当に良く似た馬が多くてびっくり

しています。

(はしくれのパドックの見方はパドックの見方、お教えします!にて好評公開中です)

 

同じレースに産駒が多数参戦している事も多く

これを見る度

「サウスヴィグラス合戦」かい!

とつい突っ込んでしまいます。

 

ただ残念な事に

このサウスヴィグラスですが

2018年3月4日に天国へと旅立ちました。

非常に寂しくなりましたが

あと数年間は産駒の活躍を十分見る事ができるはずです。

応援したいですね。

 

 

☆色々な地方競馬の面白さ

 

地方競馬は面白い!

という事をお伝えしたくて

様々な魅力について取り上げて参りました。

 

とにかくはしくれは競馬好きなので

地方も中央も目が無いですが

中央競馬とは違った個性

を感じて頂ければ幸いです。

 

これ以外にも騎手の手腕に痺れるようなものがあったり

ナイター競馬の開催があるなど

まだまだ魅力が盛り沢山です。

 

入場料が無料になったり

ファンサービスの種類も多く

そこで働く方々の個性もまたひとつの魅力です。

 

もし、平日に休みが取れたら・・・・

そもそも、平日に休みがあったら・・・

お気軽に近くの地方競馬場へ

お出かけしてみて下さいね。

 

*どこでも地方競馬!

パドックを見たい方、鍛えたい方の強い味方




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