アルクトス―馬体の殿堂(12)

 

優勝馬アルクトス(牡・4歳)

2019年4月20日(土曜日)

11R オアシスステークス(L)

東京ダート1600m(晴れ・良)

走破タイム:1分36秒7(1・1/4馬身差)

馬体重:546kg(-4kg)

 

田辺裕信騎手騎乗

栗田徹厩舎所属

須崎牧場生産

単勝4番人気(6.3倍)

パドックロード評価:▲

 

第12回の選出馬は

ダートオープン・オアシスステークスを制し

今後の活躍に期待が高まる

大型4歳馬アルクトスです。

 

 

550kgに迫る馬体を誇り

屈強な筋肉も発達していて

いかにもダート路線が得意な馬だと

一目で感じられる体型の同馬。

 

そのボリューム感は周囲の古馬よりも

明らかに一回り大きく見え

最初の周回では本命馬は

この馬だろうと思っていました。

 

結果として▲評価でしたが

大型馬にもかかわらず絞れていて

栗田調教師らしい引き締まり方が

印象的な好仕上がりでした。

 

東京ダートを得意とするタイプで

その実績は4-1-0-1と

初勝利も不良馬場のマイル戦を

6馬身差で圧勝しました。

 

フェブラリーステークス2019は

インティの優勝となりましたが

同馬はこの王者と似通った点を

多く持っている馬でもあります。

 

そこでこのカテゴリーの新星と

王者をここで比較してみて

東京ダートマイル向きの馬体に

迫ってみたいと思います。

 

それではまず新星アルクトスから。

 

 

そして次にGⅠ馬インティ。

 

 

どうでしょう。

 

幅のある胴回りに加えて

こちら側にせり出しているトモ(後肢)が

似たようなボリューム感で見る側に

訴えかけてくるのが分かります。

 

こういうお腹周りがゴロンとしていて

がっちりとした印象のタイプは

切れ長な馬体を見せる馬より

優れた持久力を発揮します。

 

この日のアルクトスは4~5番手から

抜け出して勝利を飾りましたが

フェブラリーステークスではインティが

逃げ切って優勝を収めました。

 

スピードにパワー、持久力。

ダートで安定して走るタイプです。

 

 

この優勝時の画像から見ても

筋肉の張り出しがよく分かりますが

肩や前肢の筋肉量にしても

並外れたものを感じます。

 

東京ダートマイルは日本のダートの

チャンピオンコースでもありますから

このタイプを見かけたときはその後も

注意深く見守っていきましょう。

 

またこのアルクトスを語る上では

見逃せないのが出身牧場で

同馬は新冠町の須崎牧場の

生産馬でもあるという点です。

 

同牧場は昨年57位で

同馬が代表産駒と言えますが

このような骨太で成長力ある

競走馬を誕生させています。

 

インティの山下恭茂氏(浦河町)にしても

JRA資料ランク外(114位以下)の中から

成長力あるパワフルボディを持つ

GⅠ馬を誕生させました。

 

血統もアルクトスが父アドマイヤオーラ

インティが父ケイムホームですから

このカテゴリーでは主流とは違う

血統の勢いにも注目です。

 

そして最後になりましたが

パドックロードの印は以下の通りです。

 

 

▲1着→〇3着→◎6着→☆13着でした。

 

2頭上位にとった馬が居ましたが

マリームーンは特に切れ味タイプでした。

 

 

この感じです。

 

アルクトスより腹回りが薄く

切れ長の馬体が見て取れます。

東京の長い直線はプラスに

出そうだなと判断したのですが・・・

 

このあたりがまだはしくれ自身も

鍛錬すべき点だと感じています。

こういう場合上位に取るべきは

どちらかという決断においてです。

 

日本競馬は社台系が主流ですが

競馬はそれだけではありません。

だからこそ面白いと思いますし

見れば見るほど奥の深い世界です。

 

これからも沢山競走馬を見ながら

上達したいと思います。

 

それでは今回の馬体の殿堂

第12回の選出馬は

オープン・オアシスステークスを制した

4歳馬アルクトスでした。

 

アルクトス=北斗七星(ギリシャ語)の名に相応しい

7つ星の活躍を期待し

ダート界を駆け抜けていく同馬の

今後を見守りたいと思います。

 

*殿堂馬選出ルールは

馬体の殿堂―序章から

第11回選出馬は

サトノジェネシス―馬体の殿堂(11)

第13回選出馬は

リオンリオン―馬体の殿堂(13)

をご覧ください。




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