オジュウチョウサン―馬体の殿堂(8)

 

優勝馬オジュウチョウサン(牡・7歳)

2018年11月3日(土曜日)

9R南武特別

東京芝2400m(晴れ・良)

走破タイム:2分25秒0(1/2馬身差)

馬体重:512kg(+2kg)

 

武豊騎手騎乗

和田正一郎厩舎所属

坂東牧場生産

単勝3番人気(3.1倍)

パドックロード評価:◎

 

第8回の選出馬は

障害で規格外の強さを誇り

平場でも声援を勝利に変えている

古豪オジュウチョウサンです。

 

同馬はこれまで障害戦で

9連勝を達成しており

中山グランドジャンプ3連覇に

大障害2連覇の「障害王」です。

 

特に2017年暮れの大一番

中山大障害においては

ライバル・アップトゥデイトとの

熱戦が感動を呼びました。

 

この昨年の中山大障害と

今年の中山グランドジャンプをレコードで制し

最早「生ける伝説」と化している

飛越の王と言える存在です。

 

そんな同馬が有馬記念を

目指すプランが発表され

その最中に平地の実績を

上げるために出走したレースでした。

 

なんとはしくれは当日競馬場に

入ってから出走を知りましたが

その人気たるやGⅠ開催の

パドックと見間違うほどでした。

 

 

見、見づらい・・・

 

ご覧のようにシャッター音が

ひっきりなしに響く現場で

パドック狂のはしくれも同馬の

人気には圧倒されてしまいました。

 

もしかしたら今現在最も

ファンを呼べる馬なのではないか・・・

かつての障害の名馬ゴーカイを

超える熱気に武者震いしました。

 

それにしても肝心の仕上がりですが

非常に美しい仕上がりで・・・

トモの張りと丸みが一瞬で

はしくれの心を掴みました。

 

 

和田厩舎の管理馬は全体に

きっちりしていることが多いですが

同馬はそれを踏まえた上で

「ゆとり」を感じさせる仕上がりでした。

 

前走時の福島・開成山特別は

モニターで観戦しましたが

この日よりも調子は上向きで

隙の無い仕上がりにありました。

 

馬体の殿堂シリーズとしては

今回は異色のレポートですが

当日の雰囲気もここに残したく

記述したいと思います。

 

 

馬場入り後もツル頸(くび)で集中しており

1番人気も頷けます。

この時にオッズは2.1倍で

更に下がりそうに思いました。

 

馬体は障害馬とも言えるし

平地の馬とも言える感じで

とにかく大きく見せる割には

無駄のない馬体です。

 

また7歳馬ですが年齢に負けず

柔軟性も保たれており

これなら勝機は十分あるなと

本命◎に推しました。

 

 

結果は・・・

 

 

◎1着→〇2着→▲6着→☆7着でした。

オジュウチョウサン11連勝です!

 

そして

オジュウチョウサンがゴールしたとき

東京競馬場の全体が

自然と温かな拍手に包まれました。

 

正直GⅠでもこれほどの

拍手はあまり聞きませんし

ディープインパクトのダービー以来の

場内一致の歓声でした。

 

オジュウチョウサンの父ステイゴールドが

目黒記念を勝ったあの日も

GⅡにもかかわらず大きな

拍手がスタンドから漏れましたが・・・

 

この血統にはオルフェーヴルをはじめ

魅了されるものがあります。

沢山の人の笑顔と温もりが

詰まった幸せな瞬間でした。

 

そしてこの後も

更に驚く結果

が用意されていまして・・・

 

それが

単勝310円・3番人気

という結果でした。

 

 

こんな感じで南武特別の

ゴールは人で埋め尽くされており

殆どの人がオジュウチョウサンを

待っているかのような雰囲気でしたが・・・

 

終わってみれば3番人気(汗)

あの拍手や笑顔とはズレもあったり・・・

こういうところがまた競馬は面白いです。

 

ただ仕上がりは一番良かったので

なぜ直前でオッズが動いたのかは

正直よく分かりません。

オッズは水物だなあとしみじみ

お茶をすすりながら感じました。

 

 

障害入り前は勝てなかった

芝の平地を2連勝し

一躍トップスターとなった

跳躍の王オジュウチョウサン。

 

メジロパーマーのようにGⅠを

手にすることができるのでしょうか。

 

この先に待ち受けるドラマに

胸が震えます。

そしてそこにいるのが武豊騎手という

またとないパートナーです。

 

もし夢が叶わなかったとしても

はしくれは今日の日を忘れないでしょう。

その好仕上がりの馬体とともに

一瞬は永遠なのですから。

 

*殿堂馬選出ルールは

馬体の殿堂―序章から

第7回選出馬は

アエロリット―馬体の殿堂(7)から

第9回選出馬は

アーモンドアイ―馬体の殿堂(9)

をご覧ください。




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