パドックってどんなところ?

 

「馬ってどこを見ればいいの?」

カップルの女性が男性に問い掛けます。

「さあ、分かる人には毛づやとか、気配とか分かるんだろうね。」

「あ、あの馬はどうなの?」

「あれかい?大きな馬だね・・・」

 

こんなやり取りが聞こえてくるとき

はしくれは思います。

ああそうだ、昔は自分も同じように感じてた。

と・・・。

 

すると

「うわ!良い馬だねえ~!こりゃ人気になるわけだよ」

とか

「これでこんなに人気なら、別の馬買うよ俺は」

という声もどこからか聞こえてきます。

 

レース前の馬をじっくり

間近で見られる場所というのは

何をおいてもこのパドック以外には

考えられないところです。

 

この場所ではそんなふうに

一目馬を見に来た人や

ここで千金を掴むんだという

勝負がかった馬券師など

様々な状況の人を見ることができます。

 

そこで今回はこの人々の

声の記憶を辿りながら

はしくれがパドックで感じてきたことを

お話したいと思います。

 

 

パドックの華といえば

柵にかけられた横断幕です。

これをもってくる人がどんな人か

はしくれは知りません。

 

ただ、見ての通り

この馬を応援する気持ちがよく伝わってきます。

 

競馬をはじめた頃のはしくれは

全く馬を見る目がなく

パドックにいる人もみな

素人なのだと思っていました。

 

ところがそうではないのです。

「頑張れ、〇〇(馬名)」

とビッグレースでもないのに声援を送る人の中に

その馬の関係者の方が混じっていることを知りました。

 

それは騎手の家族であったり

牧場の関係者だったり

競馬のプロも普通にここには顔を出しているのです。

 

そんな中で

「なんだ、あの牛みてえな馬は」

とか

「ひでえ馬だ、ありゃ消しだな」

とかいう声がよく聞こえてきますが

これは非常に悲しいことです。

 

確かにあまり仕上がりがよくない馬が

いることも確かですが

競馬は馬もそして騎手も

管理する厩務員の方も

みんな命がけで競馬に向き合っているのです。

こういう言葉は軽々しく

使うべきではありません。

 

それに

そういうふうに罵った馬が

上位に来るのもよくあることです。

パドックでは文句を言うより

ひたすら馬を見たいものです。

 

 

「おいおい、前が見えねえな」

「あの馬はどうだろう?」

ビッグレースの開催日となれば

色んな声が聞こえてきます。

 

それらに耳を傾けるより

ひたすら馬体に集中ですが

もしあなたが競馬を始めて

間もない頃の方であれば

ぜひパドックでは見る場所を決めて

耳を澄ませてほしいものです。

 

はしくれの相馬の師匠が

妻であるということは

これまでも当ブログで何度かお伝えしてきましたが

実は妻の他にも密かに

「隠れた師匠」

が存在します。

 

それは

「この馬は良いよ~!」

などと

独り言のように話しているおじさんで

この人の選んだ馬からも

何度となく学びました。

 

もちろん、当たり外れがあるのは

仕方のないことなのですが

かなりの精度で上位入着し

とても勉強になりました。

 

パドックでは中々師匠を

見つけにくいものですから

お金もかからず上達するのに

これはとても役に立ちます。

 

この時はしくれは毎度のように

「おじさんの馬」

を追っていましたが

驚くほど高確率で馬券に絡んでくるのです。

 

なんで結果を出せているのか

その論理は不明ですが

とにかく結果が全てなので

まずは真似してみると良いです。

 

このおじさんにはしくれは

少なからず感謝しています。

 

 

パドックの華は横断幕

そして花と言えば桜の花・・・。

春ともなればご覧のように

美しい桜も観られますが

人間の華と言えばやはり女性たちです。

 

近年ますます女性の方を

よく見るようになりましたが

そんな女性客も増えてきていた

2009年のジャパンカップ。

 

パドックの最後の周回

こんな声が聞こえてきました。

 

「ウオッカさま~!!!」

 

パドック中に響き渡る

女性の通る高い声で

女傑ウォッカに送られた

精一杯の声援。

 

これにはびっくりました。

競走馬に「様」をつけて

応援する人がいたとは。

 

後にも先にもこの一回しか

お目にかかれない光景でしたが

こういう一幕が見られたことは

とても印象的でした。

 

「〇〇(騎手名)~!馬の乗り方勉強しろ~!」

とか

「〇〇~!さっきはありがとね~!」

とか

良いも悪いも男性の声援は

それはよく聞くのですが

女性の上げる声援というのは

あまり耳に入ってきません。

 

それが珍しく聞けたと思ったら

「様」つきの応援でした。

こういう意外な明るさというか

肯定の表現は楽しいものです。

 

パドックを訪れた周りのファンの方々も

この声には最初一様にどよめいていましたが

その顔はなんだかとても綻んで見えました。

 

この後のレースでウオッカは見事

優勝を果たしましたが

ジャパンカップの記憶に添えられた

一輪の花となりました。

 

 

パドック。

そこには馬を待つ人々の

様々なドラマがあります。

 

はしくれがパドックに魅せられたのは

これらの情景が好きだから

という理由もあります。

 

パドックに行ってみたいけど

どんなところか分からないから・・・

というあなた。

とても面白いところですよ。

 

他にも色んなエピソードが

詰まっている場所ですから

はしくれはここにくると

「帰ってきた」

感じもします。

 

勝負の場所であると同時に

癒しの場所でもあるパドック。

あなたにとってパドックは

どんな場所ですか。

 

ぜひ、たくさんのドラマが詰まった

パドックを楽しみましょう。

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