距離適性とは?見極め方法を伝授します!

 

「あの馬には距離が短い」

「この馬には距離が長い」

競馬予想をする際に

こんな言葉を聞いた事は誰にでも有ると思います。

 

競馬予想において距離適性がいかに重要かは

今更論じる必要がないほど予想家に浸透しています。

ですがいざその根拠をきちんと説明するとなると

殆ど説明できる予想家がいないのが実情です。

 

そこで今回のコラムでは

はしくれ得意の相馬眼から

距離適性を見極めるための方法を伝授

致します。

 

巷にはびこる距離適性論とは一味違った解説を

ぜひ最後までじっくりとお読み下されば幸いです。

 

☆そもそも距離適性とは何なのか・・・

 

距離適性とは読んで字の如く

「距離の適性の有無」を指します

競走馬にも人と同じく

距離による得意・不得意が有ります。

 

陸上選手も短距離走者と長距離走者に分かれていますが

競馬では大体1600m以下が短距離

2400m以上が長距離に分類され

その中間は中距離

という呼ばれ方をしています。

 

この内対象となる馬が

得意とする距離を「適性」と呼び

それ以外の距離を使うときは

距離不安説

が唱えられます。

 

そしてこの距離不安説から

予想の難度が上がるのですが

これは相馬眼(そうまがん。馬を見る眼力)を養う事で

概ね解消する事ができます。

 

☆距離不安説の正体

 

そもそも予想時によく言われている

距離不安説の正体

ですが、殆どの場合

対象馬の血統

を元に語られています。

 

最近ではキタサンブラックが

長距離で大活躍を続けていますが

元々はこの馬に対する

根強い距離不安説が囁かれていました。

 

相馬眼を鍛えてきた

はしくれには無意味でしたが

これらの不安を煽る予想家の多くが血統を持ち出して

やれ、菊花賞時はさんざん

「母系に問題がある」と言いながら

同馬があっさり勝利した後は口を堅く閉ざしたものです。

(キタサンブラックの母父は短距離の名馬サクラバクシンオーです。)

 

こんな事が平気でできるのは確たる理論を持たないから

それというのもまず

血統が誤解されている

からだと思います。

 

この事に関しては

はしくれの血統論。競馬は馬体で決まる。

でも既に詳述していますが

血統というのは元々理想の馬体を作る為のものです。

 

では理想の馬体というのは

一体どんなものかと申しますと

一言で言えば

距離・馬場を問わず速く走れる馬体の事です。

 

それでいて頑丈で病気も怪我もしない健康さがあり

気性も大人で人に従順

手がかからなければ最高でしょう。

 

ではそんな馬ばかりがGⅠを勝つのかと申しますと

まずこんなパーフェクトな馬は居ないのが現実です。

ですが競走馬の馬体の進化はとどまるところを知りませんし

実際にサトノダイヤモンドは優れた馬体を見せています。

(パドックの見方は「パドックの見方、お教えします!」をご参照下さい。)

 

 

では、このサトノダイヤモンドの距離適性はと申しますと・・・。

はしくれの持論では「万能長距離型」と言えましょう。

こういうお腹がきっちり絞れてすらっとした胴長タイプは

基本的に長距離を得意にできるタイプです。

 

バランスが良く線がやや細いシャープな輪郭が特徴で

日本の硬い良の芝ならスピードを持続できるタイプです。

実際はしくれは2016年、同馬が3歳の時には

3冠に有馬記念と全て本命を打ちました。

 

当ブログ開設以降の天皇賞・春でも本命を打ち

長距離を走るスタミナには疑問の無いところです。

それでいて長距離馬という括りに同馬が収まらずにいるのは

同馬のトモが張り出していて、瞬発力に富んで居るからです。

 

競走馬のトップスピードはこの尻全体、トモの部分が司る為

この部分が発達していて更に馬体も絞れる同馬は

スピードの要求される中距離でも安定して走れる

距離適性の幅が広い万能長距離タイプです。

 

つまり

距離適性を掴もうとするなら

馬体を見ずには判断できない

とはしくれは思います。

 

それでは

サトノダイヤモンドが得意とするカテゴリーとは質の違う

短距離のレースではどんな馬体が理想でしょうか。

 

もちろん短距離のレースには短距離のレースを走るだけの

短距離馬の馬体の作り

というものが存在します。

 

そこで万能長距離型の

サトノダイヤモンドと比較のし易い

短距離専門で活躍しているダート馬

の紹介を致しましょう。

 

 

☆短距離馬と長距離馬の違い

 

写真のニシケンモノノフ

サトノダイヤモンドとは打って変わって

地方競馬(門別)でデビューして

2017年のJBCスプリントを制したダートの代表的短距離馬です。

 

先のサトノダイヤモンドと比較してみると分かり易いのですが

同馬は馬体が平面的で全体にすんぐりとしています。

 

なるべく分かりやすい特徴を持った馬を比較に挙げてみましたが

短距離馬は同馬のようにお腹周りがぽてっと太めで

長方形より正四角形に近い胴の詰まった馬体をしています。

 

短距離のレースというのはスピードが命ですので

筋肉量が多くなり、体がずんぐりと膨れやすい

のです。

 

これは特段

短距離馬でもダートが得意な馬に限らず

芝もダートも両方こなせる

レッドファルクスのようなGⅠ馬にも見る事のできる傾向です。

 

特に日本は芝の長距離

ダービーを頂点とする競馬ですので

まだ何となく短距離馬でもすらっとした部分が残っていますが

香港やオーストラリアの短距離志向の強い国では

更に鎧のような筋肉をまとった四角い馬が多く見られます。

 

どういう距離で活躍させたいかが馬産に影響する以上

こういう体型の違いは常に生まれてくるのが道理です。

(欧州の長距離馬の傾向につきましては、凱旋門賞で日本馬が勝てない理由をご参照下さい。)

 

このように短距離馬と長距離馬では体型が異なりますから

これを事前に把握できれば

的確に距離適性を見極める事ができますし

距離不安説に惑わされる事も殆どなくなる訳です。

 

ですがこれらの例とは逆に

中には

適性の幅が広すぎて判断しにくい、規格外の馬

というのも存在しまして・・・

そういう馬の実例としては、この馬を挙げておきましょう。

 

☆歴史的万能の怪物

 

時は昭和44年、1969年のこと。

この年競馬界を席巻した歴史的な名馬が居ました。

その名はタケシバオー。

現代表記で4歳の同馬が刻んだその驚くべき蹄跡は

今尚日本競馬の伝説として語り草になっています。

 

今とは競馬が違うとはいえ繰り返すのが歴史の常なら

予想におごらない為にも同馬を取り上げておきましょう。

 

この年、同馬は年明け初戦を2着に落として始まりますが

その後の成績はご覧の通り大車輪の活躍でした。

 

・東京新聞杯(東京ダート2100m稍重・58kg)レコード優勝

・オープン(東京ダート1700m重・60kg)レコード優勝

・京都記念(京都芝2400m重・62kg)優勝。

・オープン(阪神芝1600m良・60kg)レコード優勝

・天皇賞・春(京都芝3200m良・58kg)優勝。

・ジュライステークス(中山芝1800m不良・65kg)レコード優勝

・毎日王冠(東京ダート2100m良・62kg)優勝。

・英国フェア開催記念スプリンターズステークス(中山芝1200m良・62kg)レコード優勝

 

一体どういう馬なんでしょう。

天皇賞・春を勝っていながらスプリンターズステークスに参戦、

ダートも芝も問わないばかりか距離不問で馬場も気にせず

無茶なハンデを背負った挙句にレコード5回のおまけつき・・・。

まさに歴史的怪物です。

 

因みにこの後同馬が渡ったアメリカでは最下位沈没

調子が悪かった事も重なり引退となりましたが

国内で同馬が刻んだ27戦(16-10-1-0)の蹄跡は

決して歴史の中に埋もれるような記録ではありません。

 

手元にある写真を見ますとやや胴長でトモが大きく

はしくれの知る競走馬ではキタサンブラックに似ています。

そう言えばこの馬もスプリングステークスを好内容で勝ち

今年の天皇賞・春ではレコード勝ちを収めていますね。

 

芝の1800m~3200mで重賞を勝っていますし

馬体重も最低体重から40kgも増加するなど

成長力と安定感には非常に似通った面があります。

タケシバオーの産駒にはGⅠ馬が出ませんでしたが

重賞馬は誕生しておりキタサンブラックにも期待です。

 

☆その馬の距離適性を知るという事

 

以上のように

距離適性は馬体から推測できます。

 

同じサラブレッドでも体型は違っていますし

それぞれの距離に合った馬体のつくりが有るものです。

ただ時にはタケシバオーやキタサンブラックのような馬も居り

一概には決め付けられない

というのもまた事実です。

 

競馬はとても奥が深く、距離適性もまた然りです。

距離適性やその根拠を安易に血統に求める前に

まずはその馬の馬体や走りを把握していきましょう。

そうした真摯な努力の末に、的中馬券が実るのですから・・・。

 

*分かることもあれば、分からないこともある。

パドックでは分からない3つのこと

こちらもご覧下さい。

 




投稿者: はしくれ

現役のプロ競馬ライターです。パドックが一番得意で、JRA全場を踏破。地方・中央問わず競馬が大好きで、ブログを通じて収支改善のお手伝いをしたいと思います。

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