トモの張りから分かること

 

トモ。

 

競馬用語で「トモ」と言う言葉は

競走馬の後躯を指すのですが

これはお尻から脚部にかけての

広い範囲をあらわす言葉です。

 

このトモが司ることと言えば

走るための推進力であって

この部分が張っているかどうかが

良し悪しを知るためのポイントです。

 

トモの張りを見極める判断は

プロでも難しいと言われますが

パドックで馬を選ぶというなら

避けては通れない道といえます。

 

はしくれもこの見極めが毎回

完璧にできるとは言えませんが

場数を少なからず踏んだために

判断できるようにもなりました。

 

パドックを見る際に大事なのは

バランスが一番と述べましたが

一部分だけを見ろと言われたら

迷わずトモを選ぶところでしょう。

 

今回はそんな馬体の中でも

特に重要なこの「トモ」について

その見方や張り方の特徴を

伝えて参りたいと思います。

トモの張りから分かること

トモとはどの部分?

 

先程も既に述べているように

トモとは後躯をさす言葉ですが

百聞は一見に如かずなので

取り敢えず画像をご覧ください。

 

 

はい。

赤丸内が「トモ」ですね。

 

今まで尻、尻!と呼んでいた方

これからはぜひトモと覚えましょう。

(別に尻でも良いのですが)

 

どうでしょう。

この部分を見ていると

その大きさが目立っていませんか?

 

競走馬は速く走れることが

命題とされる生き物ですから

できるだけ速く駆け抜けるための

筋肉がなくてはならないのです。

 

そしてそれは推進力をつくる

後躯につくのが自然な形で

この部位の割合が大きいのは

重要だからに他なりません。

 

外敵が迫ると後肢を跳ねて

地面を蹴って走っていきますし

外敵を文字通り蹴散らすのも

武器となるこの後ろ脚なのです。

 

掻き込むように使う前脚とは

役目が違って「戦う部分」

後躯の方が大きくなることは

自然なことと言っても良いでしょう。

 

トモの張りとは?

 

それではこのトモがどんな形に

張っていることが望ましいでしょう。

 

これについてははしくれは3点

注意点を持って臨んでいます。

 

1つ目は上部が張っていること

2つ目は側部が張っていること

3つ目は芯が張っていること

この3つが注意点となります。

 

それでは実際に3つの部位を

画像で説明して参りましょう。

 

まず一番目の上部の張りです。

 

 

この部分ですね。

 

ちょうど腰から尻に入ってすぐ

アウトラインが特に大事であり

ここがしっかり張って見えるときは

好走しやすい仕上がりなのです。

 

ちょうど前駆にはキ甲と呼ばれる

盛り上がっている箇所があるために

トモの上部から吊り橋のように

バランスを支えている感じです。

 

トモが張っていて腰が甘いとき

尻はせり上がってしまいますから

バランスの見極めにも重要な

部位と言っても過言はないでしょう。

 

次に2つ目は外側部です。

 

 

こちらはバランス云々ではなく

推進力そのものになっていて

後肢に力強さと弾力を

与えるバネのような役割です。

 

ここは陰になりやすい部位なので

見極めが難しく感じますが

大事なのは外側部のラインが

シャープに整って見えることです。

 

また画像では陰になるのですが

外側から陽の当たる真ん中へ

筋肉が盛り上がっていること

お分かりいただけるかと思います。

 

これだけきちんと張り出して見えて

血管も脚に浮き出ているので

トモの張りは十分過ぎるほどに

充実していると見て良いでしょう。

 

そして最後の3つ目の部分が

芯がしっかり張っていることです。

 

 

ここですね。

 

これは先の延長のようですが

ただそれだけの部位ではありません。

ここは多くの名馬を見続けて

特に「何かある」特異な部位です。

 

はしくれは特段馬の部位など

名称には詳しくありませんが

この部位が盛り上がって見えるとき

それは興奮してじっくり見ます。

 

特にウオッカのライバルで知られる

ダイワスカーレットが優れていて

ジェンティルドンナにも見られましたが

発見したときは興奮します。

 

画像のアエロリットまで牝馬で

例えが牝馬だらけになりますが

トモの広さより張り出しに優る

細身の馬に出やすいサインです。

 

特にダイワスカーレットの勝った

有馬記念時は凄い張りでした。

こちらに飛び出すようにせり出して

驚かされたのを思い出します・・・。

 

またトモの面積が広い馬に

ワグネリアンなどが挙げられますが

2歳時から抜けていた仕上がりは

ワグネリアン快勝!東京スポーツ杯2歳S2017結果

をご覧ください。

 

ということで・・・

 

今回は推進力の源

トモについての話をしましたが

あくまで一部分にこだわるより

全体のバランスが大切です。

パドックの見方、お教えします!

 

それを踏まえた上でトモの張りを

確認できるようになってくれば

競馬の収支改善をするのに

きっと一役買ってくれるでしょう。

 

また今回のモデルとなったのは

スピード馬のアエロリットでしたが

アエロリット―馬体の殿堂(7)

でも触れたのでこちらもご覧下さい。

 

競走馬の進化を見守りつつ

相馬眼を得て向上を図り

競走馬をご覧になるあなたが

競馬をより楽しめますように☆

 

*トモには「何かある―」その詳細は

「シークレットオブパドック」

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