入れ込みがキツイと競馬にならない?

入れ込み。

 

分かりやすいパドックの見方に

よく挙げられる「入れ込み」ですが

はしくれはこれについてはあまり

こだわりがありません。

 

確かに気性面は走力に

影響を及ぼしてはいますが

馬券にならないほどかと言えば

そうではないことも多いからです。

 

パドックの見方、お教えします!では

「枝葉末節」と話しましたが

入れ込みから良し悪しを見抜くのは

特に難しいと感じています。

 

なぜなら気性は「脚力」にあらず

この要素を嫌ったがために

かえって馬券が獲れなかった

という経験も多々あるからです。

 

それでは全く意味のないものと

「入れ込み」を捉えても良いのか

今回はそれについての思考を

掘り下げて参りましょう。

 

☆そもそも「入れ込み」とは何か

 

それではまずおさらいしたいのが

入れ込みとは何かということですが

これは端的に言えば

競走馬が興奮しすぎた状態

を指します。

 

人間でも興奮していると

冷静な判断ができませんが

馬もやはり操縦性の面で

割を食うことになってしまいます。

 

それは騎手の指示に反して

レースで暴走してしまったり

騎手を振り落としたり

出遅れの原因になることさえもあります。

 

これを判断する材料には

いくつかのポイントがありますので

ここからはそのポイントについて

解説して参りましょう。

 

☆まず目に入る「チャカつき」

 

 

まずは落ち着きなくチャカチャカと

乱れ歩いている「チャカつき」です。

 

白い汗や大量にかいている

「発汗」「目の充血」と合わせ

特に目にする機会が多いのが

この「チャカつき」というものです。

 

どんなパドックの初心者でも

分かりやすい要素ではありますから

この部分を確認すること自体は

マイナスではないと思います。

 

ただ困ったことにこのチャカつきは

元気の印だったりもするので

個体の個性把握が必須で

横の比較がままなりません。

 

とにかくその場に居合わせている

他馬との比較をするパドックでは

横の比較がままならないのは

はっきり言って致命傷です。

 

縦の比較は記憶を頼りに

実行するしかありませんし

そうしていると目の前を過ぎる

馬が記憶に残りません。

 

ですからチャカつきは確認しても

あまり気に留めすぎることをせず

「個性かな・・・?」

と思うくらいが

ちょうど良い割り切りと言えるでしょう。

 

☆びっくりする「馬っけ」

 

 

更に性器が勃起している

「馬っけ」と言われる状態は

初めて見ると尚更驚き

平常心を失ってしまいます。

 

当然これは牡馬だけですが

牝馬にも「フケ」というものがあり

これら生理現象(発情)については

自然のことで仕方ないです。

 

問題は良し悪しになりますが

ずっと勃起しているのでないなら

そこまで重く受け止める必要は

ないとはしくれは感じています。

 

実際馬っけを出していても

勝ち切った馬は何度も見ましたし

それだけで減点になるほどには

影響していないと思います。

 

ただ牡馬の「馬っけ」と比較すると

牝馬の「フケ」は影響が大きく

あの好馬体の馬が何で負けたんだろ?

と思ったらフケだったということがあります。

 

これは後日知ったこと(専門誌の厩舎コメント)で当日は

全く見極められませんでしたが

現在のはしくれもこの見極めは

出来ないだろうと思います。

 

見極めるのに膣の分泌液など

確認しようがないためですが

それに時間を割くよりかは

馬体にまず集中するべきでしょう。

 

また

これらの要素よりも気性面の

問題が懸念されるケース

他にもありますのでそちらも

ここから紹介して参りましょう。

 

☆一見目立たないけど・・・

 

 

パドックでは落ち着いているようで

実はそうではない馬がいます。

はしくれがチャカつきより気になるのは

そういう要素を持った馬です。

 

まずは口の周りが赤く

血に染まっているような場合で

歯で口の中を噛んでしまって

このようになる場合があります。

 

これはパドックで落ち着いていても

その前に暴れた痕跡であり

この状況で勝ち切った馬は

はしくれの記憶にはありません。

 

ケースとしては多くはないのですが

見抜けたら避けたい要素です。

ただ血を拭いている場合もあり

そうなると見抜くことはできません。

 

そして次に気になるのは「人」

厩務員さんの状態です。

 

これははしくれが尊敬している

元厩務員さんの教えですが

厩務員さんが見せる表情と

手に持つムチが重要です。

 

もし落ち着いて歩いて見えても

表情が険しいものであれば

普段よりも管理馬の状態が

危うい可能性を秘めています。

 

こういう管理馬を任されたとき

表情がこわばることは自然で

手にムチを持っている状態なら

尚更危惧すべき状態です。

 

あまりにキツイ入れ込みになると

パドックで暴れることもありますし

そういう懸念を抱きつつ武器に

ムチを携えているのです。

 

実際、教えをいただいた時も

好馬体の馬がこの状態にあり

期待しましたが案外伸びずに

敗戦を喫してしまいました。

 

☆矯正馬具について

 

 

そして矯正馬具についてです。

 

これらは非常に様々なものが

作り出されているわけですが

それだけ馬と人の関わりには

注意が必要だということです。

 

騎手も時には騎乗馬のことを

「怖い馬」

と評することもあり

世話をする厩務員の方々も

馬に襲われることもあります。

 

こういうことがないようにレースで

実力を十分発揮するには

矯正馬具の力は普段以上に

必要となってくるわけです。

 

ですがはしくれは矯正馬具自体は

そんなに重要とは見ておらず

先に述べた

「一見分からない要素」

の方が気になります。

 

それは

矯正馬具をしている時点で

何かしらの気性難が察せられても

それを推測したところで

馬券が獲れたためしがないからです。

 

この部分は馬券を買う側ではなく

管理する厩舎サイドの意向で

馬を御すために使われるものなので

あまり気にしすぎない方が良いでしょう。

 

それに矯正馬具をつけている

名馬も多く存在しており

馬体自体に問題がなければ

別段馬券には支障ないです。

 

平成の名馬ナリタブライアンは

シャドーロールの怪物と呼ばれ

今をときめくアーモンドアイも

この馬具を付けて勝ち切っています。

 

矯正馬具をマイナスと見るのも

プラスと見るのも自由ですが

はしくれの見解は以上のとおり

特別気にしすぎないことと言えます。

 

 

☆若さも一因

 

「入れ込み」は競走馬の命が

猛っている証拠でもありますし

人間に使われていることへの

反抗のようにも感じられます。

 

そういう意味では自然に出てきた

感情とも捉えられますし

自然な感情を有することは

決してマイナスとは言い切れません。

 

それが走る情熱に変わるなら

勝負根性にもなり得ますし

前向きになればレースに行っての

走りが違ってくるものでしょう。

 

とくに若い内は気性面での

問題が多く見られるのですが

だからと言って走力面では

劣っているとは言えません。

 

レース後に騎手を振り落としたり

舌を出して走ってみたり

パドックで座ってしまったり・・・

名馬でも若い内は多いものです。

 

☆「入れ込み」との付き合いが変わった話

 

 

はしくれが「入れ込みの見方」を

考え直すきっかけになったのが

2006年にこの世を去った牡馬

カナハラドラゴンの存在です。

 

この馬は気性が荒々しく

パドックでは入れ込みが目立っていて

とても買えない・・・

と思った東京競馬での一幕がありました。

 

その時はもう発汗は凄いし

暴れ狂ったように歩いていて

最前列で見ていたはしくれも

かなりの恐怖心を抱きました。

 

周りからも「ダメだこりゃ」と聞こえて

はしくれもそう思いましたし

若干馬っ気ものぞかせていて

全く買う気になれませんでした。

 

厩務員さんも手を焼いていて

どうなることかと思いましたが・・・

なんとそのレースでこの馬が

見事優勝したのです。

 

それはもうガツーンと金槌で

頭を殴られたような衝撃で

手にした外れ馬券をハラハラ

床に落とした記憶があります。

 

オープンを勝ち重賞も2着し

その後も実績を残しましたが

残念なことに最後はレースで

骨折し予後不良となりました。

 

同馬が去ったあとも忘れられず

はしくれは今も思い出しますが

入れ込みについて割り切れたのは

この馬の影響が大きいです。

 

そして特に

「入れ込みさえなければ

馬体は良かった・・・?」

と反省して

その後の相馬眼の発展の

きっかけにもなってくれました。

 

 

☆入れ込み<馬体。

 

ということで「入れ込み」をはしくれが

どう見ているのか語りましたが

以前ウェイトを置き過ぎていた

反省を今は活かしています。

 

あくまではしくれは入れ込みよりも

「馬体そのもの」を重視です。

こだわりすぎずに捉われずに

「馬体を見る力」こそが大事なので・・・。

 

性格面より馬体面を

見抜いていくのが大事ですし

馬券を買う側としてはこの点

特に気を付けたいところです。

 

それでも決して気性を知るのは

無駄ではないと思いますし

一頭の馬が辿る道を知るのは

人生を豊かにもしてくれます。

 

余裕をもってパドックに臨み

馬体面の見極めに従事して

気性を含む個性の把握に

努めて参りたいものです。

 

競走馬のサイクルは早く

今も馬体は変化し続けています。

普遍性を追い求めながら

相馬眼を昇華させて参りましょう☆



3 COMMENTS

炭酸水

おはようございます!
イレ込みといえば去年のNHKマイルのロックディスタウンと3年前の秋天のエイシンヒカリを真っ先に思い出します。
あれはイレ込みというよりは馬が嫌がっていただけでしょうけどとにかく凄かったですね〜:(;゙゚’ω゚’):

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はしくれ

炭酸水さん、ありがとうございます(*^^*)
あれは凄かったですね~。
正直に言ってロックディスタウンもエイシンヒカリも馬体が出来ていませんでしたが…。
そういうときは馬の方も走ることを拒否する仕草を見せたり。
馬が生き物である以上、気性面は常に目につきますが、あくまで馬体の仕上がりを重視したいものです(^o^)

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